2024.04.28 春M3にて 新譜『Bar Bijou Étoile』が頒布開始になります!

『Judgment moon & Gimcrack sun』ライナーノーツ

こちらは、2022春M3新譜『Judgment moon & Gimcrack sun』のライナーノーツページです。
各曲のネタバレを含みますのでご注意ください!

アルバム全体の紹介記事はこちら↓

それでは以下、ライナーノーツ(空華オキside)をお楽しみください!
Ishikawaさんsideはこちらから
久遠真雪さんによる2022年春M3参加情報はこちら
(⑦で『Judgment moon & Gimcrack sun』と「青空ゆらり」をご紹介いただいています )

Tr.1 The Lunar Night

『Judgment moon & Gimcrack sun』の1曲目は、以前にYoutubeでも先行公開させていただいた「The Lunar Night」です。私は作詞とバイオリンも担当しました。
「The Lunar Night」についてはYoutubeでの先行公開時にもライナーノーツ的なものを書いていますので、今回はもう少し深掘りする感じで書けたらいいなと思います。

今回のアルバムは終末世界がテーマということで、先行して収録していた「Holy white.」「青空ゆらり」が既にある意味で終末を迎えた後の場面設定だったので、終末の訪れそのものをテーマにしてみよう、ということで作詞をスタートさせました。
Ishikawaさんとの話の中で、月が世界を滅ぼす、という基本ラインは決まっていたのですが、そもそも終末ってなんだろう、と考えてみたときに、人間が自らの業によって滅ぶ(環境破壊とかを含む)のではなくて、月=手の届かない世界の機構的なもの?で滅ぶのだとすれば、そこには圧倒的な相互不理解があるんじゃないかなあと思ったりしました。
つまり、人間と神様の価値観って結構違いそうだなあって。結構神話とか予測不能な展開したりするじゃないですか。
最初は、いわゆるDies irae(怒りの日)的な、神々の怒りや厳格な裁きみたいな方向性で行こうかなと思っていた時もあったのですが、もっと理解不能な超常的な何か、つまり正しい人は救われるみたいな人間側の都合をまるっと無視した「わけのわからなさ」みたいなものって何だろうと思ったときに、「善意で世界を滅ぼそうとする神(女神)」というところに行きつきました。生きることは苦しみに満ちているのね、かわいそうに、じゃあ永遠の眠りでその苦しみを取り除いて、幸せな楽園に導いてあげましょう、みたいな。

上記の方向性が定まった後、具体的に言葉を選んでいこうとしたわけですが…退廃的な気配もある楽曲にもかかわらず、何かわからないんですがしっくりはまらない感じがしたんですね。何でだろう、何でだろう…と思いながら年を越して、ある時、あっ、「意志」が足りないんだな、ということに気づき。
Ishikawaさんの楽曲って、絶望だけでは終わらない感じがするんですよね。そこで視点を基本的にすべて人間側からのものに変えて、今のような形になりました。
なので、「世界を壊して」は終末そのもののことでもあり、こんな終末をもたらす「世界=神」なんていらない、という意志表明でもあったりします。

ただ、必ずしもファンタジーもの的な解釈をしなければいけないということではなくて、月の女神と人間が対峙していてもいいし、月明かりが照らす中で人々が眠りにつく静かな終末の情景がただそこにある、というのでもどちらでもありえるな、と思っています。
ちなみに歌詞の最後だけは――神と人間どちら視点の解釈をするかによってBad Endになるかどうかが決まります(笑)

歌詞の話だけでめちゃくちゃ長くなりましたね(笑)
でも、曲側の制作も、この曲は本当に大変でした。
以前の記事でも書きましたが、この曲はデモの元キーから大幅に変わっていて、最高音でこの曲調に合った表現のつけられるギリギリの高さ、ということで今のキーになったのですが、本当にギリギリを狙ったがゆえに、曲あたまから終わりまで1日で録り切れないという事態が発生したり…ちょうどG5は換声点?っぽいところだったりもして、ロングトーンを乗り切るためにからあげを食べてから挑んだりもしていました(笑)

また曲の構成も、サビ、Aメロ、Bメロ、Cメロ、Dメロと全部特徴が違っていて(Dメロとサビは少し近いですが)、歌い方や表現のつけ方をそれぞれ全部変えたりしていたので、Ishikawaさんと1曲で5曲分ですね、なんて冗談を言いあったりもしていました。そんなこともあって、一度Youtubeで先行公開していたにもかかわらず、アルバムの中で一番mixが難航したのはこの曲だったりします。一体何バージョンできたんだろう。Ishikawaさん、本当にお疲れさまでした。

えっ、オキさんがバイオリンで世界を滅ぼしてる?いやいやまさかそんな…。

Tr.2 薄明

1曲目の「The Lunar Night」と同じく、作詞とバイオリンも担当した曲です。
「The Lunar Night」では、月=女神が慈愛でもって善意で世界を滅ぼそうとしましたが、こちらの「薄明」では対照的に、自分は強く輝くけれども何もしないし救うこともない太陽、というモチーフを念頭において作詞しました。(無事アルバムタイトルを回収できてよかったです

アルバム構成上は終末世界が舞台になっているので、終末で終わってしまった後、エピローグや後日譚のイメージではあるのですが、むしろ、終わってしまった後、「残されてしまった」後も世界は続く、というところを主軸にしています。
そういった意味では、アポカリプス的な具体的な出来事?としての終末というよりも、それぞれの人に訪れる、ささやかな、けれど他の人にとっては何でもないような希望、その物語の静かな終焉というような主観的な「終わり」なのかもしれません。

「薄明」は最初にまず歌メロのフレーズだけIshikawaさんからいただいていて、その後でバイオリン譜およびオケ入りのデモをいただいたのですが、歌メロのサビのフレーズが本当に良くて…特にF#からEへの跳躍のところは泣きのメロディだなと思っていました。
ここの音形をなんとか活かせないかな、ということで、語感も重視しながらサビあたまのフレーズから言葉を探し始めたのですが、頭の中の情景に対して全然言葉が収まりきらず、すごく時間がかかることに…(笑)音数が少ない曲の作詞も本当に難しいなと思いました。やっぱり作詞されている方はすごい。

そう、先に歌メロをいただいて、後からオケ入りのデモをいただいたんですよ。最初にオケ入り音源を聴いた時の衝撃。なんか冒頭からすごいけど?(笑)もう本当にずっと笑っていました。こう来るとは思わなかったぞ、と(笑)
この曲はタイトルが決まるまではずっと「お洒落枠」という仮名称で呼んでいたんですが、歌メロがシャッフルリズムではなかったので私ちょっと油断していたんですね。歌メロ部分は4/4拍子だったし。…歌メロ部分だけでしたね(笑)
で、その冒頭のすごいパートの音をよくきいてみたんですよ。これ…もしかして、バイオリンなのでは…????その瞬間、一瞬で恐怖が感情を支配しました(笑)笑っている場合じゃない…。終わるのは私か…。

バイオリンパート、大変なのは変拍子だけじゃなくて、BPM170なのに16分音符がそこそこ出てくるんですよね…最終的には間奏でIshikawaさんのギターと私のバイオリンで速弾きソロ対決みたいなことが始まったりしますし…(聴きどころでもあるんですが)。Ishikawaさんは弦楽器はみんな同じみたいなことをおっしゃってるんですが(本当かなあ)、特にソロフレーズは私の中の引き出しにないタイプの音形だったので(どちらかというとギターソロっぽいイメージ)、バイオリン的な表現への落とし込みも考えつつ、かなりじっくり練習してから挑みました。
最終的には、細かいゆれは多少ありつつもインテンポで全フレーズ弾ききったので、我ながらがんばったなあと思います(笑)

私は体力があまりある方ではないので、普段は収録は1日1曲、ボーカルかバイオリンかどちらかだけ、というように決めているのですが、この曲についてはバイオリン収録直後になぜかよく声が出ていたので、そのままボーカルも収録しました。謎のうれしい副次効果。このアルバムの中では一番声楽っぽいニュアンスでの(ある意味で素の)歌い方になったと思います。

Tr.3 Holy white.

「Holy white.」は2021年12月に開催された音楽・音作品オンリーオンライン即売会の「Music Utopia(ミュートピア)vol.5」での限定配布が初出になった曲なのですが、このアルバムの中で最初に制作が始まった曲でもあります。
「Holy white.」の最初のデモをIshikawaさんからいただいたのが、この前の秋M3(2021年)の1週間くらい前で、はじめからミュートピアの限定配布曲にする予定だったので、季節も合うしクリスマスソングとかよさそうですね、という話をしていたのですが、この2人で明るく楽しいクリスマスソング?無理では?という感じになり…(笑)あえて暗い感じのクリスマスソングにしましょうか、みたいなことを冗談で話していた結果、「Holy white.」のデモをいただくという流れになりました。

最初のデモをいただいた時は、確かに明るくはないしちょっと不穏な気配もするなあと思っていたのですが、めろう(NEUTRINO)さんによる仮歌が入った音源をいただいたときに、「あれっ、これ凄く綺麗な歌なのでは?(想定してたのと様子が違うぞ…?)」と思い…。
暗いクリスマスソングのつもりで聴いていたので、「これ、どのあたりを(歌い方で)不穏にしましょうか?」と質問してみたところ、「ポストアポカリプス設定です」という回答をいただきました。
そうです、ここでこのアルバムが終末世界が舞台になることが決定づけられてしまったんですね(笑)

ポストアポカリプス設定であることを念頭に置いて歌詞を見ながら改めて仮歌を聴くと、もう歌で不穏にする余地は一切ないわけです。むしろ、澄んだ空気感や一面の銀世界を表現しないといけない。えっ、私の声で?無理では?(Ishikawaさん私が歌うの分かって曲作ったんですよね??)…と思ったんですが、なんとか試行錯誤と苦闘の末に現在の表現にたどり着きました。もういろいろしました。部屋を真っ暗にして楽譜だけ照らして録ったりとか(笑)結果として、「Holy white.」がこのアルバムの中で一番テイク数を重ねた曲だったような気がします。

ただ、自分自身が収録で苦戦したという点を除けば、「Holy white.」自体はとても好きなんですよね。歌詞の情景描写、特に1番2番両Aメロの空気感の巧みさに、本当に天は二物を与えるんだなあと思っていました。
あと私が個人的に一番好きなのは落ちサビの最初のフレーズです。好きすぎて、ここだけはただ歌いたくてたくさんテイクを録っていました(笑)いや歌ってみていただくとわかるんですけど、ここ、本当に曲調の静かさと音形と母音と子音の関係性が絶妙なんですよね…。本当に天は二物を与えるんだなあ…(でもできれば表現限界チャレンジはほどほどでお願いします…笑)

Tr.4 青空ゆらり

「青空ゆらり」は久遠真雪さんにゲストとして作詞でご参加いただいた楽曲で、文明や人間がいなくなった後の世界でも自然は息づき命は続いていくという情景を、真雪さんならではのあたたかな描写で表現していただきました。真雪さんへは「終末世界の小さな幸せ」というテーマでお願いして作詞いただいたのですが、「青空ゆらり」はこのアルバムの中においてもひだまりのような、癒しのような存在になっています!

実は「青空ゆらり」は、元々nil-Glassの1stアルバムの『Butterfly Corsage』の収録曲候補としてIshikawaさんからデモ音源をいただいていた楽曲の1つで、その際はアルバム構成などの観点から同じく候補として挙がっていた「live」が収録曲として選ばれたのですが、最終的に「live」も「青空ゆらり」のどちらも真雪さんに作詞いただくことになったことに、ご縁を感じずにはいられません。

「青空ゆらり」では、サビで3回似たような音形が繰り返されるのですが、音形の入りに短い音符での音程の跳躍が入っていたんですね。でもそれは難しいだろうということで、Ishikawaさんから、跳躍をなくす形に変えて同じ音程を3回繰り返しましょう、ということでご提案いただいていました。
ところが、その後にいただいた真雪さんのサビの歌詞、特に繰り返しの2回目に該当する歌詞の情感と、3回目に該当する歌詞の温度感が、1番・2番・3番のサビいずれも本当に素晴らしくて、これはそんな楽なことをしていたら絶対に表現しきれないぞ…!と思い、繰り返しの3回とも音程を変える形(特に2回目はオクターブの跳躍)にさせてほしいとIshikawaさんにお願いして今の形になりました。
そもそも2回目はフレーズの後半のE♭に至る流れが泣きのメロディだなあと個人的には思っていたのですが、そこに真雪さんがバッチリ情感の強い歌詞を当ててくださったので、自分で難易度を上げる形にはなりつつも、結果的にはこの形しかありえなかったなあ、と感じています。

さて、ここまで書いた内容だとだいぶ心温まる感じではありますが、演奏と歌唱、特に演奏という観点でみると…。
この曲、シャッフルリズムなんですよ…。
初期のIshikawaさんは「きっとChill Room(『Butterfly Corsage』収録のシャッフルリズム曲)より遅いし簡単だと思います」と仰っていて、確かに歌唱という点では「Chill Room」に難易度の軍配が上がるかな、とは思ったんですが(それでもリズム難であることは間違いないんですが)、…私、ちゃんとシャッフルリズムをバイオリンで弾いたことがこれまでなかったんですよね…。

厳密にいえば、「Chill Room」でも前奏を少し弾かせていただいているので、全くないというわけでもないのですが、あの時は細かい音符も一部しかなく、演奏フレーズも短かったので、そこまでシャッフルリズムを意識しなくても何とかなってしまったんですね。ところが、今回はAメロと最後以外はずっと弾き通しになるので、正面から向き合わざるを得ず…。
どうしたらよいか迷った挙句、弓の持ち方、バイオリンの構え方といったような基礎の基礎に立ち返って、ある意味慣れになってしまっていた部分を全部見直すところから始めることにしました。(こんなに真面目にバイオリンに向き合ったことはなかったかもしれない

その甲斐もあって、特にリズムの難しかった間奏パートでもグルーヴ感を失わずに、むしろこれまでで一番に近いくらいの表現ができたので、結果的にはとてもよい経験になったなあと思います。順番としては「青空ゆらり」はアルバム中2番目の収録だったのですが、ここでしっかり向き合ったことで、後の「薄明」のバイオリンパートについても無事乗り切れたんだろうなという気もしています。

ちなみに、のちにIshikawaさんもギターとベースの収録時リズムに大苦戦したらしいと聞いてとても面白かったです。リズムに悩まされていたのは私だけじゃなかった…(笑)

Tr.5 Carnelian

「Carnelian」も、「青空ゆらり」と同じく、元々は1stアルバムの『Butterfly Corsage』の収録曲候補としてデモ音源をいただいていた楽曲の1つでした。「Carnelian」「青空ゆらり」「live」の3曲をいただいていて、どの曲にしようかとなった時に、「Carnelian」「青空ゆらり」は近い曲調のものが既に収録曲の中にあったので、泣く泣く『Butterfly Corsage』での収録はあきらめたのですが、その時強欲にも「絶対何かの機会で歌わせてください!」とお願いした結果、めでたく今回の『Judgment moon & Gimcrack sun』で両曲収録されることになりました!やったー!!(言えば叶うは本当ですね!)

「Carnelian」は自分の中で最もロックっぽさの強い歌い方をした楽曲なのですが、歌詞から自分がイメージした情景が情緒的だったので、元々はもう少し違ったアプローチを考えていました。おそらく現在のCメロの歌い方が初期の感覚に一番近いかなと思います。

そんな感じのアプローチで行こうかと思っていたのですが、ちょうど「Carnelian」制作期間に全然収録とは関係ないロック調の曲を口ずさんで楽しんでいたところ、偶然ちょっと今まで自分が体験したことのない強めの歌い方をすることができるようになったんですね。そこで、面白いから聴いてください、というネタのようなノリで録ってIshikawaさんに送ってみたところ、意外にも好評で、これで「Carnelian」も行くのはどうですか?という話になり…。

個人的には上記のようなアプローチの予定でいたので、ちょっとボーカルが強すぎないかな?という心配も若干ありました。ただ、「Carnelian」はスケジュールの都合上、ボーカル収録がギター&ベースの収録よりも先行する形になっていたので(普段はボーカルが一番最後なのですが)、きっと最後に上手いこと調整をしてくださるだろう、と信頼して録ってみたのですが、本当に全くの杞憂でした。最初のアプローチだと完全にIshikawaさんの演奏に飲まれていたと思います。

そう、「Carnelian」のギターとベース、凄くいいんですよ…。ぜひオフボーカル音源も聴いてください!私は最終mixのフィードバック期間で、途中からギターとベースをできるだけ前に出す方法ばかりを模索していました(笑)

歌の箇所でいうと、「Carnelian」で一番好きなのは1番サビの入りですね…この音形で「散々な運命に振り回されて」って完璧すぎじゃないですか?歌ってて凄く気持ちよかったです。ここのフレーズはとても好きで収録関係なく割とよく口ずさんでいました。
あと2番Aメロもかなり好きです。「降下する」って音形的には上昇してるんですけど聴いた時のビジュアルイメージ的にはまさに降下してる感じがするんですよね…「密度を増してく」も本当に密度が増してる感じがするし…理論的なことはわからないのですごいなあとしか言えないのですが…。

ちなみにIshikawaさんの「Carnelian」のイメージはバイクで荒野を走り抜けるような感じ、とのことだそうですが、私は夕暮れの廃墟群の中にたたずんでいるような感じをイメージしていました。
(あくまでイメージなので、聴かれた方それぞれのイメージで正解だと思います!)

Tr.6 Monochrome

「Monochrome」は、Ishikawaさんが過去に書かれた楽曲の中から今回のアルバムコンセプトに合いそうなものを、ということで私が提案させていただいた楽曲で、つまり私の欲望で選んだ楽曲です(笑)実は1曲目の「The Lunar Night」も同じ経緯で収録が決まった楽曲でした。
えっ、オキさん欲望出しすぎじゃないかって?今ごろ気付いたんですか??アルバムに収録されてる曲、全部私の好きな曲しかありませんけど???(確か前回も同じようなこと言ってた気がする…笑)

まあそれは置いておいて、この「Monochrome」、とにかくイントロと間奏が好きなんですよね…Ishikawaさんはバンドサウンドのイメージが強いですが、実はピアノを主軸としたフレーズ作りも非常に巧みなのでは、と以前からこっそり思っていました(『Butterfly Corsage』の「live」とか)。
それでいて、もちろんギターとベースとの関係性も良いんですよね…。ちなみに、私はイントロの聴感上の音圧を高めたいがために入稿直前にもかかわらずIshikawaさんにオートメーションを追加で書かせたりしていました。完全に私が聴きたいだけの欲です。ふつうに歌以外のところも口出ししますねこの人(笑)

イントロから先に進まないじゃないか、という声が聞こえてきそうなので、進みたいと思います(笑)この曲はIshikawaさんの過去楽曲からの選曲だったのですが、選曲後に実は既に仮の歌詞があったということが判明したんですね。でも、ちょっと終末世界に合わなそうということで、何とIshikawaさんに歌詞を書き直していただき(!)、新生「Monochrome」という形で収録することになりました。Ishikawaさん、その節は、本当にありがとうございました…。
でもその歌詞が、とてもいいんですよ…。「どれ程に線を描いても 空しさは覆い隠せずに 埋める色は見つからないまま」なんてフレーズ、絶対に私の中からは出てこないだろうなと思いました。何を食べたらそんな言葉を思いつくのだろう…。

歌の箇所で好きな部分といえば、やはり落ちサビからラスサビへの流れかなと思います。この「Monochrome」は、比較的に全体のキーが低めの曲なのですが、pops寄りな感じ(当社比)で歌ってあえてあまり表現が重くならないようにすることで、逆に虚無感や灰色感みたいなものを出せたらいいな、と思っていました。ただ、やはりモノクロというテーマがあるので、音色は少し暗めのテイストにしていたのですが、落ちサビからラスサビに移行するところで一気に歌詞世界の色彩が広がるので、それに合わせる形で歌の表現を変えながらラストに向かっていくというのが本当に気持ちよくて、なんだかこれが歌っていることの意味なのかなあ、などと幸せを嚙み締めたりしていました。

でもやっぱり比較的速めのBPMで16分がいっぱいあるとドキドキしますね!だいぶnil-Glassで鍛えられてきたような気はしますが!(笑)

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